アヘン中毒( オピオイド 系鎮痛剤乱用)

2017-10-9

 

今日は今アメリカで非常に大きな問題になっているアヘン中毒( オピオイド 系鎮痛剤の乱用)の話題です。

 

2016年4月に亡くなった歌手のプリンスもこの オピオイド 系の薬物の乱用が死因だったようです。

 

アヘンは英語では "Opium" (オピウム)と言います。Opiates(オピエイツ)、Opioids(オピオイズ)、Heroin(ヘロイン)など色々話に出てくるので整理してみましょう。

  • Opium(アヘン) はケシ(poppy)の熟していない果実からとれるミルク状の液体でそれを乾燥させ粉状にしたものです。モルヒネを含んでいるため古くから鎮痛剤として医療現場で使われています。
  • Heroin(ヘロイン)はアヘンの中のモルヒネを更に精製して作られます。
  • Opiates はアヘンを混ぜた薬剤のことです。
  • Opioids はアヘンのように神経系に影響を及ぼす合成鎮痛剤で、色々な名前の物があります。
  • 最近では人工的に作られたものを指す Opioids という言葉で人工的でない Opiates のことも含めて意味しているようです。

どれも結局鎮痛剤、鎮静剤、麻酔薬のようなもののことですね。

 

アヘンはどれくらい大きな問題になっているのでしょうか。アメリカの薬物乱用に関する機関によると毎日90人以上のアメリカ人が オピオイド 系の鎮痛剤の過剰摂取で死亡しているそうです。

 

そのアメリカの中でも私が住むオハイオ州はアヘン中毒が一番多い州になっています。

 

オハイオ州の保健省によると2016年は4050人のオハイオ住民が薬物の過剰摂取により死亡しています。毎日11人の計算になります。

 

今年も勢いは衰えず、更に何百人もの増加が予測されているそうです。

 

なぜオハイオなのか。州の南の方に鎮痛剤としてアヘンの入った薬( オピオイド 系鎮痛剤)を処方する医師がたくさんいた地域があったらしく、そういう鎮痛剤を日常的に摂取した結果人々がどんどん薬に依存するようになり中毒になっていった。

 

正確な情報がないまま製薬会社の依存症にはならないという言葉を信じて処方し続けた結果、患者が中毒になってしまい、気がついた時には蔓延しており取り返しがつかない状態になっていた。

 

そういう医師、薬局が多いことに目をつけた麻薬業者もそこに薬物を持ち込むようになり、処方箋が切れた患者は闇で買うようになっていき、それがどんどん広がっていった。

 

オハイオは地理的にも南北、東西に走る大きな幹線高速道路が交差するのでメキシコからのカルテルによる麻薬輸送に便利であることも一役かっているようです。

 

新聞の記事や政府のウェブサイトの情報によるとこのようにまとめることができます。

 

薬物依存症の患者が多すぎてリハビリ施設や人手が足りない、また親が中毒になってしまったので子供の世話をする人がいなくそういう子供達のための施設も足りない、なども社会問題になっています。

 

オハイオ州はそのような施設の運営から、薬物販売者を扱う刑務所の管理、中毒者の治療費、中毒者から生まれてくる子供達の治療など膨大な代償を払っています。

 

数日前のニュースによるとオハイオ州司法長官が5つの薬品会社を相手取って、オピオイド系の鎮痛剤が中毒を起こすことを説明することなく薬品を販売したことに対し裁判を起こしました。どうなるのでしょうね。

 

最近出回っている Fentanyl (フェンタニル:上記プリンスの死因と思われている)という オピオイド 系薬物はヘロインの50倍、モルヒネの100倍もの効力があり、2mgが致死量だそうです。

 

アメリカにいるとすぐに鎮痛剤を処方されるのはよくあることです。大したことがなければすぐ Tylenol (アセタメノフェン)や Advil (イブプロフェン)を飲めと言われます。全然気にしなくてもいいからいくら飲み続けても大丈夫、のような感じで医者は言います。

 

ですからもっと大きなことで鎮痛剤を処方されるのは容易に想像できます。本来ならば末期がん患者や耐えられないような痛みに対して処方されるべき薬を手術や事故のあとのみならず、単なる腰の痛みやリウマチなどの慢性痛にも処方するんですね。

 

医者に薬を処方されてもそれはよく成分を調べてどんな薬なのか、どういう効用、副作用があるのかなど調べた方がいいです。

 

じゃあ医者に行かなければ大丈夫かと思えば、このように薬物がそこら中にあるので、一般の私たちにも非常に身近な問題になってきています。

 

日本では薬物といえば有名人の話かと思いますが、アメリカではすぐ近所の話です!

 

 

学校でも、それも小学校からドラッグはやめましょう!というキャンペーンがあるくらいですから。この投稿につけている写真にありますリボンをもらってきたり、ドラッグはしないという活動でポスター作りなどもありました。

 

私は娘が二人ミドルスクール(日本でいう6年生から中学2年生)にいますが、よくドラッグについての説明会などやっていまして一回聞きましたが、怖いですよ。友達が学校に持ってきた薬をこれ飲んだら気分よくなるから、とか言われて飲んでしまった息子が死亡してしまった人の話とか、パーティに皆、家にある薬を持ってきて、ボウルに入れて混ぜて、皆で順番にとってのむとかもう信じられないようなことがあるそうです。

 

処方薬はきちんと子供達の手に至らないよう鍵がかかるところに保管しよう、必要ないものは廃棄しようとよびかけていて、市でも処方薬回収イベントを開催しています。

 

娘が来年行く予定になっている高校は学業でも秀でた生徒がたくさんいて、スポーツも盛んですので一般的にはレベルは高いと言われていますが、ドラッグの問題でいうと市に三つある高校の中で一番深刻だと言われています。

 

なぜかというと校区にはお金持ちが住む住宅街が多いのです。お金持ちということはお金がたくさんあり、両親は忙しく子供にお金を渡して放りっぱなし、という家もあるのではないかと思われます。

 

どれくらいのお金持ちか、というとこれは余談になりますが、先日9歳の息子が同じサッカーチームの友達のところへ遊びに行きました。高級住宅地にある家の前には彫刻が周りについた噴水が・・・。家の中も当然豪華で、台所のコンロは8つもある大きな物で冷蔵庫は壁一面に4つの扉。備え付けのコーヒーメーカー。そして家の中にエレベータがあるんです!下に行くと大きな温度調節されたワイン貯蔵室。千本くらいワインが入っていました。8人入れるシアタールーム。一階の書斎には作り付けの本棚の一部が実は動く構造になっていて普段は使わないガレージに繋がっていました。立体駐車場のように上下に車が入っていて一台はテスラ。更にボート。等々日本の普通の家では考えられないことです。どこにそんなお金があるのだろうか、と思いますよね。

 

ここの家族はきちんと子供達とも会話があり問題ないのですが、こういうお金持ちが子供にお金を渡して放っておくと悪の道へ連れ込まれてしまう、ということがあるのでしょう。

 

日常的に学校でもトイレでドラッグを使っている生徒がいるようで、本当に怖いですね。

 

ドラッグは最初から関わらないのが一番です。何か怪しい子がいたらすぐに親や先生に知らせることも大事ですね。

 

スポーツをしていて怪我をすると鎮痛剤を処方されてそこから中毒になるというのもよく聞きますので子供さんがスポーツをしている場合はそれも気をつけましょう。

 

未就学児を持つ人も気をつけて子供に与える薬には注意してください。市販の咳止めの薬が甘くておいしいから5、6歳の子がどんどん飲んで、中毒になったというのも聞いたことがあります。

 

そうです。市販の薬でもきついものが普通に売られているので気をつけましょう。

 

 

こうして地域、学校、家庭で気をつけてやっていけばいつかきっと今の オピオイド 蔓延状態も鎮火していくものと思いますが何年かかるのでしょうか。

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